IPO投資・中小型株投資を本気で考えるなら!
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KCRビジネスジャーナル 2006年01月10日号
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目次
■東京IPOで毎月1回好評連載中! 〜本物の企業IRを考えるシリーズ〜
「個人投資家にとっての企業IR」その7(全12回)
株式会社KCR総研 代表取締役 金田一洋次郎
(証券アナリスト・IRコンサルタント)
■本日のIPO・新興市場市況
「日経今年初の下落、JQ連日の高値更新」
■本日の無料レポート
KCR-IPO-IRレポート
日本パーキング株式会社(8997・JQ)
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■東京IPOで毎月1回好評連載中! 〜本物の企業IRを考えるシリーズ〜
「個人投資家にとっての企業IR」その7(全12回)
株式会社KCR総研 代表取締役 金田一洋次郎
(証券アナリスト・IRコンサルタント)
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2005年前半に起こったライブドアとフジテレビの争いは、様々な方面に影響
を及ぼした。その最たるものは、企業の過剰とも言える買収防衛策であろう。
さすがに2006年の新会社法の施行を睨み、毒薬条項(ポイズンピル)などの強
烈な買収防衛策を導入した企業は、まだそんなに多くはないが、現行において
可能である取締役数の定数削減や授権株式数枠の拡大などは、3月決算の大企
業を中心に約150社超の企業で付議された。
株主総会の結果は、報道の通りである。無難に決議を可決した企業もあるが、
まさかの否決となった企業も一部に出た。もともと、厚生年金基金連合会など
大手機関投資家は、安易な買収防衛策は、既存株主の価値を薄めるものとして、
そのほとんどに反対票を投じていたし、ファナックなどの優良企業でも、持ち
株の外国人比率の高さから海外投資家の理解が得られず、否決となった。
我が国企業の多くは今まで、株主総会といえばシャン、シャン総会や、シナ
リオ通りの総会を描いてきただけに、毒薬条項のような経営者の保身に直結す
る提案が、なかなか株主の同意を得にくいのは想定できたとしても、授権株式
数枠の拡大などが否決されたのは多くの企業経営者にとって意外だったのでは
ないだろうか。選挙ではないが、議案可決のための票がためにおいてその可否
の鍵を握っていたのは、個人株主であることは間違いない。現状、個人株主の
ほとんどが議決権行使書の行使をしていないとのことであり、個人株主という
浮動票をいかに集めるかが総会運営の鍵ともなりつつある。企業経営者は、こ
れまで以上に投資家を意識した議案提出、総会運営のプロセスの改革を迫られ
ることになろう。
しかし、冷静に考えてみると、今回の授権株式数枠拡大策に反対する投資家
が多いのは至極当然のことである。授権株式数枠の安易な拡大は、第三者への
新株予約権の付与や時価発行増資の実施など、既存株主にとって株式価値の希
薄化につながることであり、拡大するにおいても明確な理由が必要なはずであ
る。どうもその辺のところが、現在の企業経営者は、理解が浅いようだ。
今では、エクイティファイナンスは、企業の財務戦略上、極めて重要な資金
調達手段であり、またその代表的手段としては、公募(時価発行増資)が当た
り前のように思われている節がある。しかし、今日のように時価発行増資が企
業ファイナンスの主流になるまでは、導入当初において既存株主の持分が希薄
化しないように主幹事証券などが主導で利益配分ルールを定めるなど一定の株
主還元の厳格化を図った。今では、全てが自由化されているわけであるが、そ
れだけに導入にあたっては投資家に対する明確な説明が必要な時代といえる。
思うに、企業経営者は、過去の残像に未だ取り付かれているのではないか。
低い配当でかつ既存株主の価値を薄める行為を企業側が実施しても、何も文句
が出なかったのは、株価の上昇というキャピタルゲインでの恩恵があったから
である。現在のように我が国自体が成熟期に入り、なかなか思うような成長シ
ナリオが描けない今日においては、過去のファイナンス形態である、株主割当
増資や中間発行増資、無償増資という形がもっと見直されてもいいように思う。
現在の企業経営者のスタンスでは、投資家にとって長期保有することのメリ
ットは薄い。持ち続けていても株式の希薄化のリスクが高まるだけで既存株主
にとって何らメリットがないからだ。今までは、多額の資金を企業がプールし
ておくことが企業の戦略上、重要視されていた側面もあると思うが、今ではそ
の行為は、経営者の保身につながりやすくなるばかりか、多額の現金を狙った
敵対的買収を招きやすいという経営者が望む形と逆という皮肉な結果ともなっ
ている。このような経営スタンスで投資家が株式の長期保有をしないと嘆くと
すればそれは筋違いというものであろう。
日本初の買収防衛策である毒薬条項(ポイズンピル)を発表したニレコは、
一躍その名を有名にしたが、現在の裁判のやりとりもともかく、企業経営の中
身をみると、疑問を感じるのは私だけではないだろう。ニレコは、設立1950年、
ジャスダック(店頭登録)への上場が1989年の中堅の制御・計測機器メーカー
であるが、売上高は98年の95億円をピークに尻すぼみで、利益水準もピーク時
の1/5程度で推移している。ファイナンスは上場時の公募増資(株価5910円)
を1回したのみで、その翌年1:0.1の無償交付をしただけで、配当以外さしたる
株主還元策もない。しかし無論、標的にされるだけの資産を持っている。バラ
ンスシートに目を向ければ、総資産145億に対し、当座資産は 61億円、株主資
本は127億円、しかもほぼ無借金ともいえる財務内容だ。ここ10年間の1株当た
り純資産は、1300円〜1400円という水準に対し株価はその半分で推移するとい
う状況である。
今回のポイズンピルの導入に関して、日本経済新聞のインタビューでニレコ
の山田社長は、こう答えている。「自社株買いや業績の建て直しに取り組んだ
が、PBR1倍超に向けた株価のスタート台があまりに低かったうえ業績建て直し
も一朝一夕ではできない。業績改善が正攻法とは理解しているが、早く防衛策
を取り入れて時間稼ぎをしないと危険との判断に傾き、3月期末に間に合わせ
た。」
このコメントは、経営者の本音を語っていると思うが、投資家としてどう捉
えたらいいのであろうか。このコメントを聞いて、私は企業IRの重要性を説
いているときに多くの経営者がつぶやく一言を思い出した。「要するに業績を
上げればいいんだろう」。確かに。全ての投資が求めていることである。しか
し、企業業績を上げるのは企業経営者として当たり前のことであり、企業IR
の目的ではない。経営者には、企業業績を上げる以上の責務が課されていると
いえるのだ。
前述のニレコにおいては、企業買収の危機にされされ、半ば強制的に市場と
の対話を始めたというのが正直なところであろうが、企業IRの重要性によう
やく気がついたのではないだろうか。もっとも、同社の場合、業績的には全く
評価できない。買収防衛策だけではなく、企業の将来的なビジョンを語らなけ
れば無論、本物のIRとは到底言い難い。
※2005年07月掲載。投資情報満載のメールマガジン「東京 IPOマガジン」のご
登録は、同社ウェブサイトで。 http://www.tokyoipo.com/
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■本日のIPO・新興市場市況 提供:株式会社KCR総研
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「日経今年初の下落、JQ連日の高値更新」
(平成18年01月10日)==================================================
・日経平均株価 16124.35円 (-303.86円)↓
・日経ジャスダック平均株価 2786.16円(+ 25.59円)↑
・マザーズ指数 2529.08円(- 15.30円)↓
・ヘラクレス指数 3825.01円(+ 3.00円)↑
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本日の東京株式市場は前場後半からの地合いを引き継ぎ、日経平均株価は 303
円86銭安の1万6,124円35銭と今年初の下落となった。下げ幅は、昨年来では
12月14日の 314円28銭に次ぐ4番目の値下がりを記録。株価下落の主因は、銀
行や不動産といった昨年まで株高の牽引役となってきた内需株の低迷が挙げら
れる。
日経ジャスダック平均株価は25円59銭高の2786円16銭と、連日で昨年来高値を
更新中。日本テレホン(9425)、バックスグループ(4306)、モンテカルロ(7569)
が高い。半面、業績下方修正が嫌気されたラック(4359)は値下がり率ランキン
グ首位。
日本テレホン(9425):http://www.jlpi.jp/analyst/report.cgi?code=9425
(会員のみ閲覧可)http://www.jlpi.jp/ipo/pdf/9425.pdf
マザーズ指数は15.30円安の2529.08円と3日続落。ネクストジャパン(2409)、
アウンコンサルティング(2459)、ナノ・メディア(3783)が安い。サマンサJP
(7829)は前場引け後に発表した1対2の株式分割が材料視され、後場は一転買
い先行、終値は24万円高の220万円。
ネクストJP(2409) :http://www.jlpi.jp/analyst/report.cgi?code=2409
(会員のみ閲覧可)http://www.jlpi.jp/ipo/pdf/2409.pdf
アウンコンサル(2459):http://www.jlpi.jp/analyst/report.cgi?code=2459
(会員のみ閲覧可)http://www.jlpi.jp/ipo/pdf/2459.pdf
サマンサJP(7829) :http://www.kcr-inc.com/ipo/report.cgi?code=7829
ヘラクレス指数は続伸。値上がり率ではIRIユビテック(6662)、ソフトフロ
ント(2321)、アドテックス(6739)などハイテク関連株が高い。また時価総額の
上位3位はダヴィンチ・アドバイザーズ(4314)、USEN(4842)、ガンホー・
オンライン・エンターテイメント(3765)となっている。
IRIユビテック(6662):http://www.jlpi.jp/analyst/report.cgi?code=6662
(会員のみ閲覧可)http://www.jlpi.jp/ipo/pdf/6662.pdf
ガンホー(3765) :http://www.jlpi.jp/analyst/report.cgi?code=3765
(会員のみ閲覧可)http://www.jlpi.jp/ipo/pdf/3765.pdf
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■本日の無料レポート
KCR-IPO-IRレポート
日本パーキング株式会社(8997・JQ)
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弊社KCRホームページでは、リニューアルに伴いアナリストレポートを毎日
掲載しております。本日は新興3市場から有力IPO企業をピックアップした
「KCR-IPO-IRレポート」を1件、無料公開しております。以下リンクにて御覧
頂きます様何卒宜しくお願い致します
2006/01/10
■日本パーキング株式会社(8997・JQ)
駐車場の新規開設及び運営、ならびに駐車料金の回収を含む維持管理業務
http://www.kcr-inc.com/ipo/report.cgi?code=8997
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