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KCRビジネスジャーナル 2005年12月15日号 http://www.kcr-inc.com/
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目次
■KCRレポートアップロード情報!
今週のIPO動向
新興3市場:KCR-IPO-IRレポート(04社)
■東京IPOで毎月1回好評連載中! 〜本物の企業IRを考えるシリーズ〜
「個人投資家にとっての企業IR」その5(全12回)
株式会社KCR総研 代表取締役 金田一洋次郎
(証券アナリスト・IRコンサルタント)
■IRコンサルタントのつぶやき 〜自社説明の際に心がけたいこと〜
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■KCRレポートアップロード情報!
今週のIPO動向
新興3市場:KCR-IPO-IRレポート(04社)
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○今週のIPO動向(上場日:銘柄:騰落率)
12/12(月):テレビ東京ブロードバンド(3786・マザ) : 77%
12/12(火):サマンサタバサジャパンリミテッド(7829・マザ) :150%
12/13(火):ビジネス・ブレークスルー(2464・マザ) :100%
12/14(水):バルク(2467・名証) : 50%
12/14(水):テクノマセマティカル(3787・マザ) :100%
12/14(水):レシップ(7213・JQ) : 38%
12/14(水):プロデュース(6263・JQ) : 98%
12/14(水):日本オフィス・システム(3790・JQ) : 24%
12/15(水):パシフィックゴルフグループインターナショナル : 27%
ホールディングス(2466・東1)
○新興3市場:KCR-IPO-IRレポート(04社)
弊社KCRホームページでは、リニューアルに伴いアナリストレポートを毎
日掲載しております。今回は新興3市場のレポートとして以下4社を掲載して
おります。以下のアドレスにアクセスして頂き御覧下さい。
【有料】
2005/12/13
■ソニーコミュニケーションネットワーク株式会社(3789・マザ)
インターネット接続サービスや情報サービス、オンライン決済サービス等の各
種インターネットに関連するサービスを提供
http://www.kcr-inc.com/ipo/report.cgi?code=3789
■スターティア株式会社(3393・マザ)
電話機、複写機、ネットワーク機器などの情報通信機器の販売、マイライン・
インターネット回線の取次ぎ・受付サービス
http://www.kcr-inc.com/ipo/report.cgi?code=3393
2005/12/14
■日本パーキング株式会社(8997・JQ)
駐車場の新規開設及び運営、ならびに駐車料金の回収を含む維持管理業務
http://www.kcr-inc.com/ipo/report.cgi?code=8997
■株式会社プロダクション・アイジー(3791・JQ)
劇場、テレビ、ビデオ、ゲーム用アニメーション及びゲームソフト作品の制作
事業、ならびにこれら作品の版権事業
http://www.kcr-inc.com/ipo/report.cgi?code=3791
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■東京IPOで毎月1回好評連載中! 〜本物の企業IRを考えるシリーズ〜
「個人投資家にとっての企業IR」その5(全12回)
株式会社KCR総研 代表取締役 金田一洋次郎
(証券アナリスト・IRコンサルタント)
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○我が国のIRと大手証券
日本企業のIRの原点を考えた場合、学術的には、1961年(昭和36年)
のソニーがNYで発行したADR(米国預託証券)に伴うものが最初とされる
が、実践面においては、私がIRに従事してきた1992年頃からと考えるの
が妥当であろう。これは、その翌年に設立された日本IR協議会ともほぼ軌を
一にするもので、まさにここ10年ほどが本格的な我が国におけるIRの実践で
あり、試行錯誤の始まりといってもいい。
結論を先に言うわけではないが、この間の大部分において日本の企業IRが
大手証券会社主導で進行してきたのは間違いない。この理由の第一は、長らく
続いている引受体制の寡占状態にある。私がIRを担当した当時において、証
券会社の引受業務は、ほぼ四大証券に独占されていた。周知のごとく、証券会
社には主に4つの業務があり、それぞれにおいて免許が必要である。多くの個
人投資家が接するのは仲介(ブローカー)業務であり、投資家からの株の売買
を取り次ぐ仕事である。この仕事がほとんどの証券会社の中枢を占めるわけで
あるが、そのほかに自己売買(ディーラー)業務、売り捌き(セイリング)業
務、そして引受(アンダーライティング)業務がある。これら全ての免許を持
った証券会社を総合証券と呼んだ。
○歪んだ市場の中で
この4つの業務は、第一号免許から第四号免許までに細分化されていて、当
時、証券会社が総合証券になるには、全ての免許が必要なのはもちろん、また
その全基準を満たすにも多額の資本を要するなど、証券取引法上の縛りもきつ
く、当局による実質審査の側面からも、ほぼ新規参入は不可能な市場といえた。
1998年より、証券会社は登録制になり、こうした免許区分はなくなったが、現
在においても引受業務だけは、免許制になっている。こうした歴史的にも新規
参入が難しい引受業務において、なかでも主幹事業務と称する引受行為は、仮
に総合証券としての免許は持っていても、参入は上位大手証券会社に限定され
ていたのである。当時でいえば、野村、大和、日興、山一(1997年破綻)、新
日本(現新光証券)、勧角(現みずほインベスターズ証券)まででほぼ100%近
くのシェアを占めていた。
我が国IRの原点を振り返るとき、こうした引受主幹事業務が四大証券を中
心にせいぜい上位6社程度で100%近くを長年に亘り占めているというのは、我
が国証券市場の特異的な特徴といえよう。なぜなら当時においても新規参入が
阻まれていたとはいえ証券会社数は約300社近くあり、形式上主幹事業務が
可能な総合証券も数多く存在したからである。証券市場は、発行市場と流通市
場の両輪で成り立っている。無論、発行市場に比して流通市場の方がはるかに
規模は大きいが、証券市場全体の新陳代謝を支えるのは企業の新規公開(IPO)
や資金調達(ファイナンス)業務を担う発行市場である。その観点からは、発
行市場は、流通市場に比してあまりにも競争参加者が少ないといえよう。
○変化する証券市場
もっとも、数社しかないからといって当時の主幹事争奪戦による競争が生ぬ
るかったわけではない。バブル期も含めその担い手の中心であった法人部門の
すさまじい競争ぶりは、以前のコラムに掲載した私の事業法人部時代の述懐で
も連想頂けるだろう。ただ、少数の市場参加者による参入規制の厳しい業界で
の競争は、いびつな形を招きやすい。それは、当時の損失補填にみられるよう
な個人投資家層をあまりにもないがしろにした行為に代表されるような発行企
業に対する過剰なサービス合戦であり、また市場参加者にとっては都合がいい
ような形での談合的なものともいえる価格に関する硬直性などが代表例に上げ
られるだろう。
こうした形のものは、現在において問題解決したといえるのだろうか。私自
身は、徐々にではあるが解決に向かっていると考えている。まだまだ完全とは
到底言えないが、環境が大きく変わりつつあるからである。旧橋本政権から始
まった日本版ビッグバン政策による規制緩和により、多くの証券会社が姿を消
す一方、新しい証券会社も多数参入をしてきた。その風穴を開けたのは、私が
尊敬する出縄良人氏が率いるディー・ブレイン証券だ。彼は、免許制である1
997年に、我が国証券史において昭和43年の免許制採用以来、初めての免許
付与を受け業界新規参入を果たした。これは実に30年ぶりの快挙であり、その
意味では彼が果たした功績は実に大きい。グリーンシート市場創設を理念に掲
げ創業した同社であるが、現在では新興市場における主幹事業務においても活
発に引受活動をするなど大きく成長してきている。そのほかにも、近年ではエ
イチ・エス証券やライブドア証券、また外資系や既存の国内準大手クラスにお
いても活発に主幹事業務に参入するなど、発行市場の変化は確実に進んでいる
といえる。
○戦略的な企業IRへの道
こうした動きは、企業IRの動きと密接な関係がある。我が国の場合、現在
においても、よくも悪くも企業IRというものが発行市場における担い手であ
る主幹事証券の引受業務の一部であるという事実が厳然と存在するからである。
すなわち企業IRにおいても主幹事証券会社から提案され、それを発行企業は
引受ける。少し揶揄した言い方をすれば、主幹事業務にIR提案はもれなく付
いてくる。こうした動きは、大手証券会社を中心に現在においてもあまり変わ
ってはいない。しかし、今まで無風であった発行市場において、そこに新たな
市場参加者が現れ、業界の秩序が徐々に変わりはじめているのだ。
こうした動きを敏感に感じ取っている企業も徐々にではあるが確実に増えて
きている。特に最近 IPOしてきている新興企業経営者は、真の企業価値という
ものに敏感で、その戦略部分の要衝を占める企業IRにおいても受身の姿勢で
は考えていない。業界の古い慣習に囚われないアグレッシブな彼らの考え方に
は、新しいIRの時代も予感させる何かがあり、本物を見極める鍵もどうやら
その辺にありそうである。
※2005年05月掲載。投資情報満載のメールマガジン「東京 IPOマガジン」のご
登録は、同社ウェブサイトで。 http://www.tokyoipo.com/
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■IRコンサルタントのつぶやき 〜自社説明の際に心がけたいこと〜
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当社の株式投資に対する基本姿勢は「株価ではなく企業を見よう」というも
の。株価の動きを追うのではなく、企業の実力と成長性を評価し、投資しよう
というわけである。
さて、企業を見るために説明会に参加したり、取材を行うわけだが、経営ト
ップのお話をお聴きするにつけ感じるのは、投資家が企業を見るのに必要な説
明が意外になされていないということである。
自社の商品やサービスの説明に終始し、外部環境や競合他社との比較につい
ては語らない会社が少なくない。企業を評価する際、絶対的な評価基準などな
い。類似の企業と比較しなければ、その企業の評価などできはしない。成長率
や利益率がどれほどであろうが、その企業を見ているだけではその水準が高い
のか低いのかはわからないからである。
極端な話、「利益率は年々上昇しており、当期において経常利益率が20%の
大台に乗った」と説明されても、同業他社が軒並み30%台に達しているならば、
その企業の利益率を高く評価できるはずがない。逆に利益率は残念ながら低下
傾向にあり、5%を切ろうかという水準であったとしても、競合他社が揃って
赤字決算に陥っているならば、少なくともその競合他社よりは評価できよう。
その企業は、業界内でどのように位置づけられる存在なのか、どのような戦
略をとっているのか、競合他社と比較してどのような特徴があるのか、どのよ
うな優位性を有しているのかが、その企業を評価する際の非常に重要なポイン
トとなる。
講演者には、自社の説明をする際、自社のアピールだけでなく、同業他社と
の比較も行っていただきたい。回り道と思われるかもしれないが、案外これが
自社事業を理解してもらうのに最良の方法かもしれない。(EF)
※KCRビジネスジャーナル木曜版では弊社BLOG「KCR総研のアナリスト奮闘記」
より弊社アナリストの記事を掲載しております。是非一度御覧下さい。
http://ameblo.jp/kcr-inc/
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KCRビジネスジャーナルは、原則毎週2回の発行を予定しております。
本メールマガジンは、株式会社KCR総研と交流させていただいている下記の
方々および当社ウェブサイトにてメールマガジンの配信登録をされた皆様、当
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編集・発行
株式会社KCR総研 研究員 梶本昭典
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