━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
KCRビジネスジャーナル 2004年10月号 http://www.kcr-inc.com/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
目次
■ 金田洋次郎の証券アナリスト日記
■ 松井証券マーケットプレゼンス毎週水曜日好評連載中!
証券アナリスト金田洋次郎の業界セクター分析講座
〜介護セクター編〜
(第1回/全12回)
■ 注目のKCR-IPO-IRレポート
株式会社エイペックス(3324・セントレックス)
■ 企業IRセミナー(松井証券・KCR総研共催)開催【無料】
株式会社ワッツ(2735・ジャスダック)
〜企業トップの主張をライブで〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 金田洋次郎の証券アナリスト日記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今号より当社メールマガジンを大幅にリニューアルしてスタートすることにな
った。思えば企業IRの普及、個人投資家の育成、ベンチャー企業の支援を念
頭に掲げながら創業してはや7年目を迎えようとしているが、その想いは、近
頃一層強くなるばかりである。お陰さまで当社もようやく良質の情報を提供で
きるシンクタンクとしての体裁が整ってきた。これも一重に当社を支えてくだ
さった皆様方のお陰である。改めて謝意を表したい。
先頃、当社も所属する日本IR協議会で、「個人投資家向けIR―成果をどこ
に求めるか」と題するセミナーが大阪のホテルニューオータニ開催された。講
演者として、NTTドコモ、カゴメ、帝人、カブドットコム証券の各担当者か
ら詳しくテーマに沿った発表がなされたのだが、個人投資家に対する企業側の
創意工夫が見られる内容であり、企業側の個人投資家重視の姿勢が改めて認識
できる会合であった。
その際に驚いたのは、カブドットコム証券の発表データである。2005年3月期
第1四半期の上場17証券およびネット証券主要6社の委託売買代金のランキン
グによれば、野村證券が11兆8,586億円とトップを占めているのは昔と変わら
ないが2位、3位は、イートレード証券、松井証券とネット証券が続いている。
その売買代金たるや両社あわせて15兆1,077億円とトップをはるかに凌駕して
いるのである。
ついでに言うと、5位には楽天証券がランキングし、その規模5兆8,611億円。
これにカブドットコム証券、日興ビーンズ証券、マネックス証券をあわせると
ネット証券全体で27兆1736億円にも及びほぼ大手3社グループと匹敵するとこ
ろまでシェアを拡大している。このデータを見る限り、ネット証券の市場に占
める存在感はすさまじいものがあり、翻って企業側から見ればネット証券を活
用した市場のIR対策が急務な時代にもなっているということが言えると思
う。
当社では、松井証券と提携し定期的に企業IRセミナーを主催しているが、参
加している個人投資家の質の高さに企業側のトップが驚くことがしばしばあ
る。ネット証券というとディ・トレーダー的なイメージが強いが、それはほん
の数%で、ほとんどは中長期投資の視点をもった良質な投資先を探そうとして
いる優良個人投資家である。彼らはこの間まで大手証券の顧客であった人たち
であり、実に勤勉なのが特徴だ。企業としては、これまで以上にネット証券を
視野に入れたIR政策を心がけていく必要があるだろう。
今月は、グットウィル・グループ(4723)の折口会長を直接取材させていただく
予定になっているので楽しみである。同社のベンチャースピリッツは、多くの
ベンチャー企業が見習うべきところであり、東証1部上場を果たした今、次な
る経営戦略がどのようなものなのか非常に興味深い。その他には、丸八倉庫
(9313)、決算後取材予定として、マルエツ(8178)、サイボー(3123)、コジマ
(7513)、ブリジストン(5108)などを予定している。
総じて言えることだがアナリストの個別取材に応じて頂ける企業は、IR活動
にも積極的であり、投資家に優しい企業といえる。その意味では、IRに積極
的でない企業は、当社としても取材しようがなく、投資家に正しい情報が伝え
られない。企業の考え方と方針は様々あると思うが、理由もなく取材拒否をさ
れた企業は、その事実とIRの姿勢も投資情報に価すると考えられるので当社
の責任として投資家に対し公表すべき情報と考える。今月は、西友(8268)と石
井鐵工所(6362)が確たる理由がなく拒否をした企業である。当社の理念は、企
業IRの一層の普及である。透明性の高い市場運営のためにも企業側のアナリ
スト活動に対する一層の理解が欲しいと思う。
■ 松井証券マーケットプレゼンス毎週水曜日好評連載中!
■ 証券アナリスト金田洋次郎の業界セクター分析講座
■
〜介護セクター編〜 (第1回/全12回)
■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ネット証券大手松井証券のメールマガジン「松井証券マーケットプレゼンス」
に毎週水曜日好評連載中の当社代表執筆コラムをお届けいたします。
第1回
介護業界とは
最近、介護会社の上場が相次いでいる。一口に介護といっても様々な業態があ
り、介護会社を分析するには、介護保険制度の仕組みを理解するなど、基本的
な知識が必要である。
2000年に介護保険制度が施行され、まだ日が浅いこともあって行政側も試行錯
誤の段階でもあり、介護各社を分析する時に心得ておかねばならぬことも多
い。このシリーズでは、第1回目として、成長著しい介護業界にスポットをあ
てアナリストの切り口を講義していくので、銘柄を選別する際、是非参考にし
て頂きたい。
まず、介護業界を知るためには国の介護保険制度を理解しなければならない。
介護業界の明確な定義はないが、介護保険の適用を受けている事業者がまず介
護セクターに属していると考えて差し支えないだろう。従っていわゆるシルバ
ービジネス全般とは違うということに留意したい。
介護保険適用サービスは、在宅サービスと施設サービスの2分野に大別され
る。在宅サービスは、訪問から訪問入浴介護、福祉用具貸与、通所介護(デイ
サービス)、痴呆対応型共同生活介護(グループホーム)、特定施設入居者介
護(有料老人ホーム等)までと幅広く、民間介護事業者の参入が認められてい
るサービス分野である。
一方、施設介護は、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)など、その名の
とおり「施設」において提供されるサービスを指し、民間事業者(株式会社な
ど)の参入は認められていない。よって、分析の対象となる介護企業はすべて
在宅サービスを展開する事業者となるが、在宅サービスはその内容が一様でな
いだけに、どのサービスを手がけるかにより、その収益構造は大きく異なるこ
とに注意が必要である。
在宅サービスの中でもっとも多くの企業が手掛けるサービスは訪問介護サービ
ス。グループホームへの参入も多い。一方、最近の流れとしては訪問介護から
有料老人ホームへ進出する企業が見られるようになった。訪問介護を手がける
企業が多い理由は、需要が大きいからにほかならない。グループホームに多く
の事業者が参入するのは、需要に供給が追いつかない状況が続いているからで
ある。
それでは有料老人ホームはどうか。この有料老人ホームだけは、大きな需要が
あるからという単純な理由ではなさそうである。ここに介護セクター銘柄分析
のキーポイントが隠されている。なぜ訪問介護事業者が有料老人ホームの展開
に乗り出すのか。次回はここにきて有料老人ホーム事業への参入が目に付くよ
うになった理由を考えてみたい。
※現在、松井証券マーケットプレゼンスでは、不動産セクター編を連載中で
す。投資情報満載のメールマガジン「松井証券マーケットプレゼンス」のご登
録は、同社ウェブサイトで。 http://www.matsui.co.jp/mailmag/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 注目のKCR-IPO-IRレポート
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ロイターおよびNPO法人日本ライフプラン協会ウェブサイトで好評配信中の
「KCR-IPO-IRレポート」から、注目の1社をご紹介いたします。
株式会社エイペックス(3324・セントレックス)
【コード】3324
【業種】卸売業
【市場】セントレックス
【公開日】2004/06/01
【主幹事】エイチ・エス証券
【事業内容】中古半導体製造装置の仲介、買付、販売及び装置にかかわる技術
サービスの提供
【事業の特色】
■国内外の半導体メーカーから不要になった半導体製造装置を買い取り設備投
資を必要とする半導体メーカーに販売する
■買い取った半導体製造装置に対して、査定のプロである専門スタッフが適切
な部品交換、テストなどの処置をおこなう
■信頼性の高い安価なパーツを供給するため韓国現地法人を設立し、安定的に
消耗部品を日本国内に輸入できる
【経営課題】
■世界的な半導体需要のアップダウンによるリスクをいかにコントロールして
いくか
■高スキルエンジニアの育成と組織の拡大をいかに両立させるか
■購入後のメンテナンス体制とパーツ供給体制のさらなる安定化
【アナリストメモ】
■新規の設備投資が必要な半導体メーカーをいかに発掘し、取引を継続できる
かがカギ
■売上高、経常利益ともに右肩上がりであり、人材の確保が急務である
■事業ポートフォリオの多様化が実現すれば、収益性の安定化につながる
【マーケット動向】
■大手半導体メーカーによる事業再編、製造拠点のリストラは今後も続くと思
われる
■日本製の半導体製造装置の2004年5月度のBBレシオは1.00である(1.00を超
えると業績の拡大が見込める)
■半導体設計用装置、検査用装置などは日本市場での販売高がほぼ倍増してい
る(日本半導体製造装置協会)
KCRレーティング
【収益性】★★★★
【効率性】★★★
【安全性】★★★★
【成長性】★★★★
【生産性】★★★★★
【IR】★★★
【総合評価】★★★★
※当社独自の基準で5段階評価しております。
配信中の「KCR-IPO-IRレポート」では、上記内容のほかに詳細な財務分析も記
載しております。IPO投資をご検討される際には是非ご活用ください。
「KCR-IPO-IRレポート」はこちらでご覧いただけます。
マルテックスインベスター http://www.multexinvestor.co.jp/
NPO法人日本ライフプラン協会 http://www.jlpi.jp/
■
企業IRセミナー(松井証券・KCR総研共催)開催【無料】
■ 〜企業トップの主張をライブで〜
■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
平成16年11月6日(土)に東京で、個人投資家の皆様を対象にした企業説明会
「企業IRセミナー(松井証券・KCR総研共催、NPO法人日本ライフプラン協会協
賛)」を開催します。
100円均一ショップ及びディスカウントショップを運営する株式会社ワッツ代
表取締役社長平岡史生氏が成長戦略等についてプレゼンテーションを行うほ
か、当社代表で証券アナリストの金田洋次郎より今月のIPO企業と注目する新
興企業についてお話しさせていただきます。
また、ご参加いただいた皆様には、KCR総研の最新新興企業アナリストレポー
ト(3,000円相当)をもれなく差し上げます。
企業トップの生の声を直に聞く絶好の機会です。
皆様お誘いあわせの上、是非ご参加ください。
なお、会場の都合上、定員になり次第、募集を締め切らせていただきますの
で、お早めにお申込ください。
【東京会場】
日時 2004年11月6日(土)14:00〜16:30
会場 新宿NSビル NS会議室
10F 10-J
〒163-0813 東京都新宿区西新宿2-4-1
JR「新宿駅」徒歩10分
都営地下鉄大江戸線「都庁前駅」徒歩5分
会場へのご案内
http://www.shinjuku-ns.co.jp/access/index.html
13:30 開場・受付開始
14:00〜15:00 「今月のIPO・新興企業総まとめ」
株式会社KCR総研 代表取締役 金田 洋次郎
http://www.kcr-inc.com/
15:00〜15:15 休憩
15:15〜16:00 「ワッツの成長戦略」
株式会社ワッツ 代表取締役社長 平岡 史生 氏
http://www.watts-jp.com/
16:00〜16:30 質疑応答
※定員は100名となります。
※参加費用は無料です。
詳細
および お申込は、こちらをご覧ください。
http://www.kcr-inc.com/seminar/040918.htm
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
KCRビジネスジャーナルは、毎月1回の発行を予定しております。
本メールマガジンは、株式会社KCR総研と交流させていただいている下記の方
々および当社ウェブサイトにてメールマガジンの配信登録をされた皆様、当社
主催のセミナーにお申込いただいた皆様にお送りしております。
■株式公開(IPO)企業のトップ、経営幹部
■ベンチャー企業のトップ、経営幹部
■ベンチャーキャピタリスト
■銀行・証券会社・監査法人等IPO関係者
■弁護士・会計士・診断士等専門家
■大学・官公庁等新規事業関係者
■マスコミ等PR関係者
■個人投資家・エンジェル
■内外証券アナリスト
■特定非営利活動法人日本ライフプラン協会正会員・専門委員
メールマガジン登録解除はこちらから
http://www.kcr-inc.com/magazine/kaijo01.htm
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
KCRビジネスジャーナルの各レポートは、投資の参考となる情報提供を目的と
したもので、投資勧誘を意図するものではありません。このレポートに用いら
れた数値及び意見等は、信頼に足ると考える情報源から得たデータ等に基づい
ておりますが、KCR総研がその正確性を保証するものではありません。当社は
、当資料の一部または全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害に
ついても責任を負いません。投資の決定はご自身の判断と責任でなされますよ
うお願い申し上げます。記載された意見や予測等は作成時点のものであり、正
確性、完全性を保証するものではなく、今後予告なく変更されることがありま
す。内容に関する一切の権利はKCR総研にあります。事前の了承なく複製また
は転送等を行わないようお願いします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集・発行
株式会社KCR総研 主任研究員 藤田 英輔
URL
http://www.kcr-inc.com
〒543-0041 大阪市中央区北浜2-3-10大阪松田ビル3F
TEL 06-6233-4030 FAX
06-6233-4770
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━